◆高齢者のお買い物手伝います 商店街とNPOがタッグ◆

練馬区内で商店街とNPO法人などが協力したお年寄りの買い物支援が始まった。足腰が強くないお年寄りが多く住む住宅地内にアンテナショップが開店し、買い物時の送迎サービスをする三輪自転車もお目見えした。区も高齢化社会に対応したモデル事業として支援している。 (宮畑譲)
 練馬区下石神井の住宅地に今月三日、食料品や雑貨を販売する「ウェルカム」が開店した。店内には、お年寄り向けにばら売りした野菜や百グラムほどの少量の肉類が並ぶ。地元商店街の委託を受けたNPO法人「NPO福祉サロン」のメンバー十人がボランティアで運営している。
 店の向かいにあったスーパーが十年ほど前に閉店。周囲五百メートルほどに住むお年寄りは、生活必需品を買うために徒歩で十五分以上かかるようになった。近所の片山美代子さん(90)は「こういう店を待ち望んでいた」と喜ぶ。
 店では喫茶、軽食もできるようになっており、お年寄りが交流する場をつくる狙いもある。運営する福祉サロンの藤田庄子理事長は「高齢化社会が進めば、こういう場がもっと必要になると思う。最終的に地域の人で支え合って運営してもらうのが理想」と話す。
 練馬区北町地域では三輪自転車での移動販売や、商店街の買い物への送迎サービスが十七日にスタート。NPO法人と一般社団法人が商店街と連携し、定期的に運行する。区商工観光課によると、買い物支援に三輪自転車を利用するのは全国でも珍しいという。
 一連の事業に区は本年度予算に二千万円を計上した。米芳久課長は「黒字化が理想だが、状況を見て来年度以降の支援も検討したい」と話している。
 三輪自転車でのサービスは曜日・時間が決まっている。宅配と移動販売の問い合わせはNPO法人「みんなのいちば」=電080(4941)8021、送迎サービスは一般社団法人「ふれあい・シクロ」=電03(6906)7080=へ。
東京新聞

 
東京新聞 2012年9月21日‎
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